自宅開業のメリットとデメリット
日経新聞のトップ記事に「副業解禁、主要企業の5割」の見出しがありました。自宅でアプリ開発や翻訳などの仕事をしたい人とそれを依頼したい会社のマッチングサイトも多くの人が利用しています。副業の推進は「働き方改革」にもつながることから、これからは大企業だけでなく中小企業でも「副業解禁」を認める傾向が強まるでしょう。
副業だけでなく、フリーランス・テレワーク・自宅開業など、人々の働き方、お金の稼ぎ方は非常に多様化しています。フリマアプリなどCtoCのプラットフォームを利用して、自分や家族が使わなくなった物をオークションに出品する「ちょっとしたお小遣い稼ぎ」を経験する人も急速に増えており、今やリサイクルショップを脅かす存在になっています。
フランチャイズ加盟は、常に開業・副業の一つの選択肢となっており、「パソコン教室わかるとできる」でも、自宅開業のご相談を受けることがあります。フランチャイズに限らず、多くの方が自宅のキッチンで料理教室を開いたり、お花屋さんが店舗内でフラワーアレンジメントのレッスンを行ったりと、自分の時間・空間・資源を有効に活用しています。これにより、経済的な余裕を生み出すだけでなく、より多くの人々とつながりを生み、より豊かな人生にしたいという思いを実現しています。
ところで、自宅での開業はメリットだけでなくデメリットもありますので、それらをあらかじめ知っておくことで対応策を準備することができます。
まず、メリットは、①スキルや趣味を活かした仕事ができる、②都合の良い時間で働けてライフワークバランスを充実させることができる、③多額の資金が要らず手軽に始められる、ことなどが挙げられます。育児や介護などで出勤が難しい人でも、自宅開業であれば仕事の時間を自由に決められます。通勤がないのでその時間を仕事に充てることができ、店舗を借りる時の家賃も必要ありません。
デメリットとして挙げられるのは、①プライベート空間の確保に工夫が要る、②集客が難しい、③社会的な信用を得にくい、という点です。お客様や取引先の方が自宅に入るため、多くの人が出入りする場所とそうでない場所をしっかりと分け、店舗での営業と同様に日々の清掃をこまめに行うことが大切です。また、従業員の採用やクレジットカード契約において不利になることもあります。
自宅開業でとくに大切なのは「商品・サービスの質と独自性」です。ご自身のライフスタイルを活かした商品やサービス、アットホームな雰囲気、お客様との距離の近さなど、自宅ならではの特長を活かした運営をすることに加え、「こんな素敵なサービスが近くにあるなんて！」と思ってもらえる質の高い商品・サービスを持っていることが、お客様の拡大につながります。
質の安定と新商品の開発は、フランチャイズ・チェーンのメリットのひとつと言えます。すでに開業しているオーナー様からの相談でも、時代に即した商品・サービスの開発に関することはとても多いです。ご自身の特技を活かした開業はこれからますます増えていくことが予想され、差別化や独自性の発揮のための努力はさらに必要となってくるでしょう。