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2019年業界天気図、フランチャイズ業界への影響は?

令和初めての秋は、天皇皇后両陛下の祝賀パレードやラグビーワールドカップなど、日本全国が盛り上がる行事が続きました。一方で、海外では香港デモやアメリカと中国の貿易摩擦、ヨーロッパのブレグジット問題など、世界全体に大きな影響を与えかねない出来事も相次いでいます。

毎年、帝国データバンクから「業界天気図」というレポートが発信されています。これは、各業界の代表的な企業の業績や各種統計データなどを総合的に分析して、各業界の展望を「快晴」「曇り」「雨」など7段階で判断したものです。今年10月に発表された最新の業界天気図によれば、各業界の天気で最も多かったのは「曇り」で、天気が良くなった業界より悪くなった業界のほうが数が多く、全体的には景気は足踏み状態のようです。

「パソコン教室わかるとできる」が含まれる教育サービスの業界天気は、上から3番目の「薄日」。つい先日、大学入試の共通テストで導入予定だった英語民間試験の活用が見送られて大きなニュースとなりましたが、これを含む教育制度の様々な改革が新しいサービスを創出しており、AIの発達とともに高付加価値サービスのニーズが高まっています。社会人教育の分野でも、「学び直し」機運の高まりやシニア層の就業率の上昇が追い風となっています。

フランチャイズ・システムが広く浸透している業界を見ると、外食業ではファーストフードやカフェが「曇り」、居酒屋チェーンが「雨」となっています。人手不足とコスト増加の影響を受けやすい業種ですが、業態転換や高額商品の投入で業績が改善している企業も現れています。また、小売業ではコンビニエンスストアが「薄日」、ドラッグストアは「晴れ」で、仕組みの見直しを進めている業種と積極的な出店をしている業種の勢いの差を感じます。

国内の産業全体を見渡してみると、中国の景気減退や貿易摩擦の影響を受け、製造業を中心として「曇り」が続き、晴れているのはソフトウェア開発、不動産、広告など全体の約13%にとどまっています。消費税増税後の個人消費鈍化の影響は限定的のようで、QRコード決済事業者の大々的なキャンペーンなどで、消費者還元事業に対する認知が広がっていることが奏功しています。

ここ数年の景気回復基調に変化が現れたことで警戒感を強めている業界も多いようですが、ピンチをチャンスに変えて新しいビジネスを作り出すのが、柔軟なフランチャイズ業界の長所ではないでしょうか。予測不可能なVUCA時代に、未来を見据えて着実に手を打つアクティブな企業のみが成功を収めていくことは間違いなさそうです。

参考:帝国データバンク「業界天気図」動向調査(2019年度見通し)

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