SVブログ

フランチャイズ加盟に向いている人

前回(フランチャイズ契約のメリットとデメリット)にも書いたとおり、フランチャイズによる経営は、本部の過去・直近の成功パターンを利用することができる一方で、統一性が求められ自由度が制限されるという特性があります。この環境の中でご自身の経営者としての長所を発揮していただくことが求められているため、経営者の方が思い描く姿によって必然的に向き・不向きがあります。

フランチャイズでの経営に向いている人、つまり、フランチャイズ店舗の経営で成功確率の高い人の共通点は、次の3点にまとめることができます。

1.  本部のパッケージやアドバイスを信じて素直に活用できる

本部の理念に共感共鳴し、その理念の実現に向けて自分の店舗で率先して実践しようと考える加盟者の方は、本部の成功パッケージを素直に真似ようとします。最初は慣れない業務も多く失敗もありますが、経験が高まるほど、過去の成功パターンを上手に利用することができるようになり、成功確率が高まっていきます。フランチャイズでの経営に向いている人の第一の共通点は「本部を信じている」ことだと思います。

しかし、信じられる本部と出会うことはそれほど簡単ではありません。フランチャイズ契約に際しては、何度も本部に訪問して理念や経営に対する考え方、支援の詳細な内容、契約内容について説明を受けてください。

また、本部は、皆さんの将来の経営のパートナーになる企業です。「この人の言うことは信頼できる」と思えるような担当者がいる本部であれば、加盟後の経営方針もぶれが少なくなるのではないでしょうか。

2.  自分の得意分野と運営内容に共通性がある

店舗運営を行う経営者の方には、様々な能力が求められます。未来に向けた経営計画を立てることはもちろんですが、現場に入る時には、毎日の運営に関する判断・決断を行い、出入金管理や実績管理などで業績を把握し、従業員を雇うことになれば、採用面接や職場環境の充実化を図ることも必要となります。

とくに、プレイング・マネージャーである経営者は、業種と自分の得意分野に共通点があることは成功に向けた大切な要素です。接客が重要なのに人と話すのが苦手では、その仕事自体が苦痛になりかねません。

経営者本来の仕事に意識を集められる環境作りはとても重要です。起業や新規事業においては、ビジネスモデルの分析に目が行きがちですが、そもそも自分や既存事業の得意分野を活かせるものなのか、自己分析を行うことも非常に大切です。

3. マニュアルに頼りきりにならず主体的に運営している

フランチャイズ・パッケージを利用することによって、加盟者ご自身の経験不足を「過去・直近の成功パターン」で補うことができます。しかしながら、マニュアル通りに接客をすることで却ってクレームが発生してしまうのと同じように、パッケージやマニュアルに頼りすぎてご自身が考えることをやめてしまうと、成功から遠のいてしまいます。

優れた業績を出している店舗は、必ずと言っていいほど「現場の工夫」があります。例えば、マニュアルに「定期的に販促活動を行いましょう」と書かれている場合、業績の高い店舗は、販促活動中のスタッフが笑顔で声掛け内容を工夫して親近感を高めています。当たり前のことを、高いレベルでやろうとする気持ちはとても大切です。

フランチャイズ契約は、お互い独立した事業者同士の契約です。本部の決めたルールはありますが、そのルールやパッケージを主体的に自分の意思として活かすことができる人は成功の確率が高くなるでしょう。

« »